平成29年度 留萌市立病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 208 35 49 67 105 203 464 840 1046 305
 増毛町から天塩町まで南北130kmにわたるほか、天売・焼尻の両島を含む広大な留萌医療圏の地域センター病院として、地域にねざした医療を提供することを目指し、幅広い年齢層の患者さんに医療を提供しています。また、留萌医療圏の二次医療の中心的役割を担っており、24時間救急体制を確保するとともに、圏域唯一の緊急手術及び出産にも対応しています。年齢の傾向としては、80歳代が一番多く、70歳以上が入院患者の65%となっています。当院では、高齢の患者さんに対する入院治療を多く行っています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 59 14.86 10.61 1.69 77.93
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 34 4.88 7.87 0.00 69.21
060060xx97100x 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 30 14.93 15.55 6.67 81.80
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 27 6.30 5.50 0.00 57.67
060035xx99x70x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等27あり 副傷病なし 24 3.96 4.88 0.00 49.75
 内科では、消化器疾患及び内科疾患全般を治療しています。傾向としては、大腸ポリープや大腸腺腫などの患者さんも多く、内視鏡的結腸ポリープ切除術を実施する短期入院の患者さんも多く入院しています。また、胆のう結石等で内視鏡治療を実施するものや、小腸及び大腸の憩室炎、大腸の悪性腫瘍の患者さんが多くなっています。当院では、上部・下部消化器官内視鏡、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)をはじめとして、胆道ステント留置術や消化管悪性狭窄に対するステント留置術など、消化器疾患に対する内視鏡的治療を積極的に行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 73 30.58 17.71 9.59 82.85
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 46 30.76 20.83 26.09 87.26
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等21あり 副傷病なし85歳未満 22 15.14 14.27 4.55 66.27
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 18 14.44 12.34 11.11 84.11
040040xx99000x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 17 43.24 14.60 17.65 72.53
 循環器内科では、急性冠症候群、急性心不全、頻脈性及び徐脈性不整脈、狭心症、弁膜症、拡張型及び肥大型心筋症、慢性心不全等の心臓疾患の他、高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎不全などの疾患に対し治療を行っています。傾向としては、心不全で入院している患者さんが多く、次いで、誤嚥性肺炎や2型糖尿病などが多くなっています。平均年齢では、心不全で82歳と高齢の患者さんが多く入院しています。当院では、心臓カテーテル検査や経皮的冠動脈ステント留置術などの治療を行う一方で、循環器疾患に合併した肺炎や一般内科・感染症など内科疾患全般にも対応しています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 副傷病なし 51 4.69 6.32 0.00 4.25
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし 34 5.32 5.94 2.94 0.97
030270xxxxxxxx 上気道炎 19 3.74 4.84 0.00 2.79
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 17 3.71 5.50 0.00 3.18
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし 13 4.38 6.03 0.00 2.77
 小児科は、0歳から15歳未満の患者さんが対象で、感染による胃腸炎・咽喉頭炎・気管支炎・肺炎、インフルエンザや気管支喘息など小児疾患全般の治療を行っています。傾向としては、喘息や急性気管支炎など呼吸器疾患が多く、次いで上気道炎や急性腸炎などの消化器疾患が多くなっています。また、前年度と比べて、インフルエンザの患者さんが多い傾向となっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx99x40x 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 副傷病なし 15 3.13 4.49 0.00 67.20
060150xx99xx0x 虫垂炎 手術なし 副傷病なし 13 8.08 7.01 0.00 55.77
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 10 6.10 5.56 0.00 41.80
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 8.00 7.40 0.00 59.20
180040xx01x0xx 手術・処置等の合併症 内シャント又は外シャント設置術等 手術・処置等2なし 12.41
 外科は、消化器外科・呼吸器外科・血管外科、外傷などの緊急疾患にも柔軟に対応しています。腹部一般・消化器外科手術、呼吸器外科疾患、血管外科疾患、乳腺・甲状腺疾患などの手術を行っており、腹腔鏡・胸腔鏡下手術も積極的に取り入れています。また、悪性腫瘍に対する化学療法も実施しています。傾向としては、乳癌に対する化学療法を実施する患者さんが多く、次いで虫垂炎、胆のう結石等で手術を実施する患者さんが多い傾向です。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 59 55.80 27.09 13.56 81.61
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 41 36.61 19.94 2.44 82.00
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 41 9.02 5.21 4.88 63.41
070350xx99xxxx 椎間板変性、ヘルニア 手術なし 15 16.07 8.83 0.00 56.40
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2なし 15 39.13 19.97 6.67 78.93
 整形外科は、骨折等の外傷対する手術、腰椎椎間板ヘルニアに対するヘルニア摘出術や変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術など変性疾患に対する手術も行っています。傾向としては、大腿骨骨折で手術をする患者さん次いで胸椎及び腰椎の圧迫骨折、前腕の骨折、腰椎椎間板ヘルニアの患者さんが多く、年齢も高齢の患者さんが多い傾向となっています。当院では自宅に退院するまで安心してリハビリテーションができる体制を整えています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 12 54.42 16.51 0.00 75.08
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 19.10
010060x2990200 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 3、4又は5 20.12
010060x2990210 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病1あり発症前Rankin Scale 3、4又は5 22.00
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 5.15
 脳神経外科は、脳梗塞、脳出血、てんかん、パーキンソン病、認知症など脳疾患全般の治療を行っています。特に脳梗塞の患者が多くなっています。留萌管内では脳卒中地域連携パスを作成しており、他の医療機関及び介護施設等と連携する体制を整えています。当院では退院するまで安心してリハビリテーションが出来る体制を整えています。

※ 患者数10件未満は「ー」で表しています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120140xxxxxxxx 流産 16 1.88 2.43 0.00 31.94
120165xx99xxxx 妊娠合併症等 手術なし 14 10.21 12.02 0.00 31.21
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2なし 12 16.00 20.41 16.67 32.67
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等25あり 副傷病なし 4.75
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病 手術なし 5.93
 産婦人科は、留萌医療圏唯一の出産が出来る医療機関として圏域の周産期医療を担っています。通常分娩及び帝王切開による分娩の他、切迫早産、子宮や卵巣などの疾患に対する治療及び手術も行っています。傾向としては、稽留流産等などで流産手術を実施する患者さんの他、妊娠悪阻、切迫早産の里帰り分患者さんが多い傾向となっています。この他に、通常分娩及び帝王切開による分娩の患者さんがいます。当院では里帰り分娩も受け入れており、留萌で安心して分娩が出来る体制を整えています。

 ※ 患者数10件未満は「ー」で表しています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020250xx97xxxx 結膜の障害 手術あり 29 3.76 3.30 0.00 76.14
020280xx97xxxx 角膜の障害 手術あり 10.58
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 2.85
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり 3.32
020290xx99xxxx 涙器の疾患 手術なし 7.72
 眼科では、 白内障・翼状片・加齢黄斑変性などの治療を行っており、患者さんの年齢も高い傾向となっています。入院患者さんの83%が白内障で手術実施する患者さんであり、平均入院日数は約3日となっています。その他、翼状片等で手術を実施する患者さんが多い傾向となっています。当院では安心して入院・手術ができる体制をとっています。

 ※ 患者数10件未満は「ー」で表しています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 14 5 3 13 3 6 1 7
大腸癌 8 11 15 57 4 19 1 7
乳癌 7 4 20 5 1 14 1 7
肺癌 4 2 7 26 2 2 1 7
肝癌 1 1 3 4 1 9 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 癌の5大癌と呼ばれる、胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者の人数を初発のUICC病期(ステージ)分類別、および再発に分けて集計しました。

定義
 期間内の延べ患者で集計しています。
 ※UICC病期分類
 国際対がん連合(UICC)によって定められた、原発巣(※)の大きさと進展度、所属リンパ節への転移状況、遠隔転移の有無の要素によって各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。
 ※原発巣・・・癌が最初に発生した場所にある病巣

解説
 胃癌、大腸癌に対しては、内科にて早期癌に対する内視鏡手術や外科での手術、術後化学療法等様々な治療方針に沿って、内科と外科で連携を取り治療を行っております。
 乳癌に対しては外科にて患者さんの個々の状況に応じて治療方針を決定しております。
 肝癌に対しては、内科にて患者さんの個々の状況に応じて治療方針を決定しております。
 当院ではⅢ期、Ⅳ期といった進行した癌や再発の件数も多く、主に化学療法を行っております。
 なお、UICC病期分類が不明に分類されている症例については、治療前の検査入院に該当する患者さんや、入院中に検査結果が出ていないため、病期分類ができない事が理由として挙げられます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 7 64.14 17.00
中等症 94 81.70 19.23
重症 19 85.26 26.05
超重症 5 84.40 27.40
不明 0 0.00 0.00
 成人の市中肺炎の患者さんの人数を重症度別に集計しました。重症度は、成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類システムを用いています。

定義
 入院のきっかけとなった傷病名、および最も医療資源を投入した傷病名が肺炎、急性気管支肺炎、急性細気管支炎であるものとし、インフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や食べ物の誤嚥による肺炎、気管支炎などは集計対象外となっています。また、成人の肺炎の指標なので、小児肺炎を集計対象外となります。

○市中肺炎
 普段の社会生活の中で成人が羅漢した肺炎のことです。
○平均在院日数
 病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。

解説
 患者数が多いのは中等症ですが、他の重症度も少なからず存在します。重症度が上がるにつれ治療に日数がかかっていることが表れています。また軽症の患者さんの平均年齢が60代前半であるのに比べて、中等症~超重症では平均年齢が80歳以上の年齢になっており、市中肺炎は年齢が上がるごとに重症化しているのが分かります。
 成人市中肺炎診療ガイドラインでは軽症の患者さんは入院加療の適応ではないことがありますが、軽症の患者であっても先天疾患や癌の既往などで重症化を危惧され入院となるケースもあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 69 86.90 81.67 16.05
その他 12 82.33 79.00 3.70
 脳梗塞の病型別の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計しました。

定義
 最も医療資源を投入した傷病名の脳梗塞ICD-10コード上3桁で集計する。

○ICD-10コード
 国際疾病統計分類第10回改正(ICD-10)に基づいて、様々な傷病名が分類され、コード化されています。世界の異なる国における傷病名の状況を比較できることを目的とした標準分類です。

○平均在院日数
 病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。

○転院率
 該当する症例数の内、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者さんの割合です。

解説
 脳梗塞入院は発症して早期に入院される患者さんがほとんどで、発症3日以内の急性期脳梗塞が全体の86%と高率となっております。平均年齢は79~81歳で高齢者の方が多くなっております。平均して2~3ヶ月間の入院期間で治療とリハビリを行っています。治療後は自宅及び施設に帰られるか、後方支援病院への転院も行っております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 182 0.51 1.54 0.58 69.51
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 105 7.26 13.26 1.28 80.97
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 48 2.65 14.78 0.00 72.04
K654 内視鏡的消化管止血術 45 1.48 8.48 0.00 73.26
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 24 28.47 28.89 36.89 79.53
 大腸ポリープ等に対する内視鏡的結腸ポリープ切除術が多く実施しており、入院日数も約2日間となっています。次いで、総胆管結石、十二指腸腫瘍、胆管腫瘍、膵頭部腫瘍等による閉塞性黄疸に対する内視鏡的胆道ステント留置術、総胆管結石や十二指腸乳頭狭窄等に対する内視鏡的乳頭拡張術、出血性胃潰瘍等に対する内視鏡的消化管止血術など多い傾向となっています。この他に、内視鏡的胆道拡張術や内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術なども実施されています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 18 10.31 11.63 0.00 78.31
K596 体外ペースメーキング術
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合)
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの)
K597-2 ペースメーカー交換術
 完全房室ブロック、洞不全症候群等に対するペースメーカー移植術やが体外ペースメーキング術が多く、平均年齢も78歳と高齢の患者さんに対し実施されています。その他、不安定狭心症や心筋梗塞等に対する経皮的冠動脈ステント留置術、ペースメーカーの電池交換等で行われるペースメーカー交換術が多く実施しています。

※ 患者数10件未満は「ー」で表しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント設置術 22 4.92 5.00 0.00 69.92
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 20 1.24 4.90 0.00 57.00
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 15 0.77 6.08 0.00 62.08
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの)
 慢性腎不全の患者に対する内シャント設置術、鼠径部のヘルニアに対する鼠径ヘルニア手術、胆のう結石症などに対し実施する腹腔鏡下胆嚢摘出術が多く実施されています。次いで、虫垂周囲膿瘍を伴わない虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術、乳がんに対する乳腺悪性腫瘍手術となっています。その他に、下肢静脈瘤手術、悪性腫瘍に対する結腸切除術や胃切除術など実施しています。

※ 患者数10件未満は「ー」で表しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 48 3.30 57.65 11.63 81.05
K0462 骨折観血的手術(前腕) 35 2.57 15.38 7.14 70.17
K0811 人工骨頭挿入術(股) 24 4.54 53.25 16.67 82.50
K0462 骨折観血的手術(下腿) 21 2.57 15.38 7.14 70.17
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(前腕) 15 1.00 2.79 0.00 51.58
 大腿骨骨折に対する骨折観血的手術が多く実施しており、平均年齢も80歳代と高齢の患者さんに実施しています。次いで、前腕骨折や下腿骨折に対する骨折観血的手術、大腿骨頚部骨折で人工関節を使用する人工骨頭挿入術などが多い傾向となっています。この他、骨内異物(挿入物を含む。)除去術、関節内骨折観血的手術、脊椎固定術、アキレス腱断裂手術なども実施しています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9091 流産手術(妊娠11週まで) 15 0.00 0.88 0.00 31.94
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡)
K9063 子宮頸管縫縮術(縫縮解除術)(チューブ抜去術)
 妊娠11週未満の稽留流産等に対する流産手術の件数が多く実施されており、子宮筋腫摘出術、子宮頸管縫縮術なども実施しています。その他に、緊急及び選択帝王切開術を実施しています。

 ※ 患者数10件未満は「ー」で表しています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 261 0.93 1.06 0.00 79.69
K224 翼状片手術(弁の移植を要するもの) 28 0.89 1.93 0.00 76.50
K2542 治療的角膜切除術(その他のもの)
K2822 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない場合)
K234 眼窩内腫瘍摘出術(表在性)
 白内障に対する水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)を多く、平均年齢が79歳と高齢患者さんに実施しています。片眼の入院日数は3日程度となっており、眼科入院の大半が白内障手術の患者となっています。次いで、翼状片に対する翼状片手術が多く実施しています。その他、治療的角膜切除術、眼窩内腫瘍摘出術などを実施しています。

 ※ 患者数10件未満は「ー」で表しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 1 0.035
異なる 4 0.142
180010 敗血症 同一 13 0.461
異なる 6 0.213
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0.00
異なる 0 0.00
180040 手術・処置等の合併症 同一 18 0.638
異なる 1 0.035
 播種性血管内凝固、敗血症、真菌症、手術・処置などの合併症の患者数と発症率を集計しました。DPC病名と入院契機が「同一」か「異なる」に分類して集計しております。

 「同一」はある病気の診療目的で入院し、その病気の治療を行なったということを表し、「異なる」はある病気の診療目的で入院したが、併発していた、もしくは入院中に違う病気が発症したことにより、その治療が主となってしまった場合を表します。

定義
 最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固(DPCコード:130100)、敗血症(DPCコード:180010)、その他真菌症(DPCコード:180035)、手術・術後の合併症(DPCコード:180040)について患者数をカウントし、全入院患者に対する発症率を掲載する。発症率はそれぞれの患者数÷全入院患者数×100とする。

 ※指標に示されるそれぞれの用語は以下の通りです。

○DPC6桁分類(DPCコード)
 14桁あるDPCコードのうち、上6桁で病名が表されるコードです。DPCコード6桁で表示される場合は病名による分類を表しており、医療行為などは含まれておりません。

○播種性血管内凝固
 感染症などによって起こる、全身性の重症な病態です。治療に大きな医療資源が投入されるため、該当するDPCで高額な点数が設定されています。

○敗血症
 感染症によって起こる、全身性炎症反応の重症な病態です。治療に大きな医療資源が投入されるため、該当するDPCで高額な点数が設定されています。

○真菌症
 真菌による感染症です。

○手術・処置などの合併症
手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられます。合併症は、どのような術式でもどのような患者さんでも、一定の確率で起こり得るものなので、医療ミスとは異なります。

○入院契機
 DPCコードにて分類される主病名とは別に、入院のきっかけとなった病名(入院契機病名)がそれぞれの患者さんにつけられます。

◇発症率
 全入院患者のうち、該当の病気で発症した患者の割合です。

解説
 播種性血管内凝固や敗血症は、DPCで高額な点数が設定されている(入院医療費が高くなる)ため、臨床的に根拠のある診断でなければならないDPC病名とされています。当院ではDPCを播種性血管内凝固や敗血症とする際は、臨床的に根拠のある診断を基に投入された医療資源を勘案して入院医療費請求を行うように努めており、臨床的に根拠のない医療費請求は行われていないと考えています。播種性血管内凝固については、DPC病名と入院契機病名が異なる場合の入院契機病名として挙げられるのは、胆嚢炎でした。敗血症については、DPC病名と入院契機病名が異なる場合の入院契機病名として挙げられるのは、肺炎、膿胸、腸炎、胆管炎、腎盂腎炎でした。手術・処置などの合併症については、ほとんどがDPC病名と入院契機病名が同一である症例でした。つまり、手術・処置などの合併症を主訴として入院され、治療を受ける入院患者さんが多いということです。手術・処置などの合併症にあたる症例としては、透析を受け入れている患者さんのシャント閉塞や狭窄による機能不全が9件、手術創や腹腔内に感染が起こってしまう術後感染症が2件、術後の吻合部狭窄が4件、人工関節の障害が2件、の他に、カテーテルの感染、眼内レンズの脱臼でした。手術や処置などは合併症を起こさないように細心の注意を払って施行しますが、どうしても一定の確率で起こり得ます。起こり得る合併症については、事前に可能な限り患者さんに説明したうえで、手術や処置の施行に同意を頂くよう努めています。
更新履歴
2018/9/28
平成29年度 病院指標を公開しました。