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2026年05月12日(火)

【シマエナガ通信】第4回 地域医療教育研究センター

道北の留萌にも桜の季節が訪れました。留萌川の河川敷ではヒバリやノビタキのさえずりが聞かれます。 写真を撮影した日は最高気温12℃の肌寒い日でしたが、留萌はこれからさわやかな良い季節を迎えます。

今回は病院に隣接した、「地域医療教育研究センター」を紹介します。
留萌市立病院では、卒後臨床研修医や医学生の受け入れ環境の整備として、市立病院の敷地内に長期滞在用の住宅・宿泊施設を備えた「地域医療教育研究センター(以下研究センター)」を2014年に開設しました。

研究センターは市立病院の東側にあり、病院1階部分と渡り廊下で連絡しています。
1階に2戸、2階に医学生用宿泊室4部屋を設け、ワンルームの居室にはキッチンやトイレ、浴室があるほか、ベッドや冷蔵庫、机といすが備え付けられています。

地域医療教育研究センター

このほかにも病院から歩いて2分の場所に医師住宅があります。
病院見学は随時お受けしていますので、以下をご参照ください。

病院見学のお申し込み

地域医療教育研究センター

▲地域医療教育研究センター

桜と病院

▲桜と病院

2026年04月21日(火)

【シマエナガ通信】第3回 留萌地区における臨床研究

今回は過去に留萌地区で行われた臨床研究の成果について紹介します。

2007年から2015年まで当院の院長をされ、後進の育成と経営再建に多大な貢献をされた笹川裕先生(名誉院長、故人)は、臨床研究においても素晴らしい業績を残されました。

笹川先生はこの地区で生活習慣病関連の疾患が多いことに着目し、メタボリック症候群やインスリン抵抗性と虚血性心疾患の関連について次のような方法で解析しました。

  • 糖尿病のない、404名の住民を対象に経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)を実施した。
  • 臨床データとして、病歴のほか、年齢、BMI、腹囲、血圧、空腹時血糖、空腹時インスリン、血清脂質を測定した。
  • インスリン抵抗性の指標としてHOMA-IR(ホーマアイアール)、高インスリン血症の指標としてHOMA-β(ホーマベータ)を計算した。
  • Cox比例ハザード回帰により上記指標の虚血性心疾患に対するハザード比(イベントリスク)を求めた。
  • その結果、平均追跡期間6.7年の間に18名が虚血性心疾患を発症した。虚血性心疾患発症のハザード比は、インスリン抵抗性(HOMA-IR)が4.58、高インスリン血症(HOMA-β)が4.25、メタボリック症候群が2.80だった。

この研究でユニークなのは「糖代謝−虚血性心疾患イクノグラフィ」という解析の図で、グラフ上の円(赤の点線)で囲まれた領域に属している住民から虚血性心疾患を発症する例が多かったというものです。

糖尿病は虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患)の危険因子として知られていますが、本研究は糖尿病を発症していなくとも、インスリン抵抗性や高インスリン血症があると虚血性心疾患の発症リスクが高まるということを明らかにした注目すべき報告です。

なお、本論文は2017年のJournal of General and Family Medicine に掲載されました。

糖代謝−虚血性心疾患イクノグラフィ ▲糖代謝−虚血性心疾患イクノグラフィ
2026年04月08日(水)

【シマエナガ通信】第2回 初期研修医の学会デビュー

去る2026年3月31日、当院での2年間の初期臨床研修を修了した寺澤初音先生に修了証の授与と記念品の贈呈が行われました。
4月から新たな環境で専門研修に入られます。さらなる精進と活躍をお祈りいたします。

4月現在、当院には初期研修医が5名在籍しています。皆さん各診療科をローテーションしながら、病棟、外来、手術や処置、救急と毎日忙しく研修に励んでいます。
2年間の研修期間に知識や技術の習得に励むことはもちろん重要ですが、研修医の皆さんにはできるだけ学会での発表を経験してもらうようにしています。

学会といっても「地方会」という規模の小さいものですが、医師として科学的・論理的な態度を身につけるための第一歩として重要な場、いわば「登竜門」です。
日本内科学会での症例報告の発表が多いですが、座長の先生は道内の研修病院の「その道の専門家」ですし、会場には道内医育大学の教授がおられることも・・・。
もしかしたら発表する研修医よりも会場で見守る私の方が緊張しているかもしれません。

過去3年間の当院からの発表は以下のとおりです。
北海道内科学会地方会、西口裕貴先生(第297回)、佐々木健先生(第300回)、寺澤初音先生(第303回)、李 承勇先生(第304回)、李 恩燁先生(第306回)。
学会発表の後には各研修医の先生は自己の成長を実感していることでしょう。

院内で開催された臨床病理検討会(CPC)での発表シーン
▲院内で開催された臨床病理検討会(CPC)での発表シーン
2026年03月27日(金)

【シマエナガ通信】第1回 診療参加型臨床実習

今年度(2025年度)は札幌医大から9名、旭川医大から15名、自治医大から5名の医学生が当院に来られ、地域医療実習や総合診療実習などを行いました。

担当診療科は消化器内科および循環器内科のことが多いですが、内科全般(総合内科)、救急外来、小児科検診など幅広く実習していただいています。

実習期間は2週間、4週間、月〜金の5日間などさまざまです。指導医としての悩みは医育大学により求められる内容が微妙に異なることと、(見学型でない)「診療参加型臨床実習」をいかに日々の忙しい臨床の現場で提供するかです。
当院に限らず地方病院の医師不足は深刻で、自分の外来日などは、どうしても見学型になってしまいます。

文科省の医学教育モデル・コア・カリキュラムの「診療参加型臨床実習実施ガイドライン」では
診療参加型臨床実習は、学生が診療チームに参加し、その一員として診療業務を分担しながら医師の職業的な知識・思考法・技能・態度の基本的な部分を学ぶことを目的としている。(中略)、その趣旨が、単なる知識・技能の修得や診療の経験にとどまらず、実際の患者を相手にした診療業務を通じて、医療現場に立った時に必要とされる診断及び治療等に関する思考・対応力等を養うことにある点に留意する必要がある。
と書かれおり、少しでもこの趣旨に沿えるよう試行錯誤しています。

自分の経験に照らし合わせると(かなり時代は遡ります)、医学生の時に直接関わった患者さんはたとえ短期間であっても強く印象に残っています。
医学生の皆さんには、初期臨床研修から始まる長い医師人生に少しでも糧となる臨床実習を提供したいと思っています(高橋)。

実習風景
▲実習風景

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