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2026年08月18日(火)

【シマエナガ通信】第9回 留萌地区における臨床研究(その2)

今回は最近発表された留萌地区における臨床研究について紹介します。
留萌市立病院の救急外来では、しばしば大動脈解離の患者さんに遭遇します。
そこで筆者(高橋)は「この地域では大動脈解離の発生率が高いのではないか?」という疑問を持ち、地域の大動脈解離の患者さんについて調査しました。

2014〜2023年の過去10年間について調査した結果、留萌・増毛・小平の1市2町で発生した急性大動脈解離の患者さんは67人いました(図: A・B)。
地域の高齢化の影響を除いて解析した結果、大動脈解離の年齢調整発症率は10万人あたり年間17.3人という、従来の報告より高い数字でした(図: 表)。

大動脈解離図表

▲大動脈解離図表

大動脈解離のうち上行大動脈に解離がおよぶスタンフォードA型解離は致命率の高い状態で、緊急手術が必要です。
手術適応のあるA型解離の患者さんは、緊急手術のため旭川の高次医療機関に搬送され、14例中13例が救命されました。
この結果は、留萌のような心臓血管外科のない地域でも、急性大動脈解離を早期に診断して手術可能な施設に搬送できれば、その予後は必ずしも悪くないことを示しています。

一方、発症直後に心タンポナーデ等で病院到着前にお亡くなりになった患者さんが22例(33%)もおり、高血圧の治療などで大動脈解離の発症を予防することの重要性も示しています。
なお、本研究の結果は2026年のInternational Heart Journal に掲載されました。

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